香港今昔

19世紀後半にイギリスに割譲され、その後アジアと欧州をつなぐ貿易・金融拠点として、特異な発展を遂げ、1997年ついに中国に主権が返還されたのちは、一国二制度の歴史を刻んできた香港。本書は、独自のコロニアルな景観を形成した香港・マカオの建築物や都市景観を写した古写真と、同じ場所で撮り下ろしたごく最近の写真を比較することで、その変遷を視覚的に検証し鑑賞できる、大判写真資料である。原書は2016年出版。

香港小史
はじめに
香港中環
水坑口街
ヴィクトリアハーバーの景観
ペダーストリート〔畢打街〕
スターフェリーピア〔天星碼頭〕
HMSタマール〔添馬艦〕／中央政府複合施設〔中華人民共和国香港特別行政区政府総部〕
九龍から眺めるヴィクトリアハーバー
ハリウッドロード〔荷李活道〕
文武廟
キャットストリート〔摩羅街〕
ラダーストリート〔樓梯街〕
ボナムストランド〔文咸東街）
ウェリントンストリート〔咸靈頓街〕
セントラルマーケット〔中環街市〕、クイーンズロード〔皇后大道〕
クイーンズロードセントラル〔皇后大道中〕
シアターレーン〔戯院里〕
クイーンズロードイースト〔皇后大道東〕
香港クラブ〔香港會〕
（イギリス統治下の）最高裁判所ビル〔香港終審法院〕
プリンスビル〔太子大廈〕
聖ヨハネ座堂（香港）〔聖約翰座堂〕
総督府〔香港禮賓府〕
香港上海銀行（HSBC）本店ビル〔香港上海滙豐銀行有限公司〕
停泊中の船
ヌーンデイ・ガン〔午炮〕
ハッピーヴァレー競馬場〔跑馬地馬場〕
香港動植物園〔香港動植物公園〕
ケインロード〔堅道〕
香港大学〔香港大學〕
タイガーバームガーデン〔萬金油花園〕
ピークトラム〔山頂纜車〕
ラ・アシエンダ
ヴィクトリアピークから見おろす九龍と新界
スターフェリー〔天星小輪〕
ヴィクトリアハーバーへの入り口
ヴィクトリアハーバーから眺める九龍
九広鉄路尖沙咀駅〔九廣鐵道尖沙咀駅〕
九龍オーシャンターミナル〔開運大厦〕
九龍のバス＆タクシー乗り場
ザ・ペニンシュラホテル〔香港半島酒店〕
ネイザンロード〔彌敦道〕
テンプルストリート〔廟街〕
啓徳空港〔香港啓徳国際機場〕
旧啓徳空港と現香港国際空港
九龍のアパートメント群
九龍城砦〔九龍塞城〕
ファンリング駅〔粉嶺站〕
国境の町、沙頭角
深圳
アバディーンハーバー〔香港仔港〕
レパルスベイ〔淺水灣〕
レパルスベイビーチ〔淺水灣海灘〕
レパルスベイホテル〔淺水灣酒店〕
スタンレーベイ〔赤柱灣〕
スタンレー刑務所〔赤柱監獄〕
香港の貿易港
ランタオ島〔大嶼山〕
チェクラップコク国際空港〔赤鱲角國際機場〕
港の堤防／マカオ
フィッシャーマンズワーフ〔漁人碼頭〕／マカオ
聖ポール天主堂跡〔大三巴牌坊〕／マカオ
トラヴェッサダパイシャン〔戀愛巷〕／マカオ
マカオ聖母降誕大聖堂〔聖母誕辰主教座堂〕
セナド広場〔議事亭前地〕／マカオ
アルメイダリベイロ通り〔亞美打利庇盧大馬路〕／マカオ
ポルタスドセルコ〔關閘〕／マカオ
香港パノラマ
索引

［著］ヴォーン・グリルズ（グリルズ，ヴォーン）
写真家、作家、アーティスト。マサチューセッツ州ウィリアムズ大学からトラベルスカラシップを得て、1986年に中国とチベットをはじめて旅して以来の熱烈な香港ファン。グリルスの写真作品はフォトグラファーズギャラリー、ホワイトチャペルアートギャラリー、アルノルフィニ等、イギリス各所の名だたるギャラリーに展示されている。国立メディア博物館、コンテンポラリーアートソサエティ、ローハンプトン大学、マサチューセッツ州ウィリアムズ大学、アーツカウンシルウェールズ、大英博物館等、数多くの公的なコレクションにも名を連ねている。2005年にはアート＆デザインを専門としたUCA芸術大学のカンタベリー、エプソン、ファーナム、ロチェスターの各キャンパスを設立。本書「今昔」シリーズの上海編の著者でもある。

［訳］国枝 成美（クニエダ ナルミ）
1971年東京生まれ。東京大学教養学部卒。訳書に、ヴォーン・グリルズ『上海今昔』（創元社）、国枝祐希のペンネームで、オーテガ・ユーワグバ『イギリス女性はこう働く』（辰巳出版）、ソフィー・ブッシュ『WAREHOUSE HOME　インダストリアルインテリアコレクション』（パイインターナショナル、共訳）、ニック・エリオポラス『マインクラフト　ゲームにとびこめ！』（技術評論社）がある。